気象庁気象研究所
所長
異常気象を知り、備える
~相次ぐ気象災害への対策に向けて
「平成30年7月豪雨」は、11府県に大雨特別警報が発表されるなど全国の広範囲で記録的な大雨となり、西日本を中心に甚大な被害となった。そして、その後の記録的な猛暑や異例の経路をたどった台風12号など、異常気象のニュースが絶えることがない。日本は、地震火山も含め世界でも自然災害のリスクの高い地域として知られるが、一方で有史以来の災害の経験から防災・減災への取組が進められており、世界有数の防災大国でもある。しかしながら、激甚化する豪雨など過去の経験を超える異常気象により甚大な被害が発生しており、過去の経験だけに頼らず対応する力が自治体や企業にも求められている。本講演では、地球ではいま何が起きているのか、異常気象の仕組みと予測可能性、国内外の最先端の研究の取組状況、今後の展望について紹介し、防災・減災への対応力強化の参考となることを期待している。